問題と調査


 **徹底的な見直しとチェックで安全で美味しい鍋ライフを**



 にゃんにゃん共和国の鍋の国といえば鍋と眼鏡を愛する国である。そんな鍋の国政府が長年悩んでいた案件の一つに食事がある。
 といっても、別に今晩のお食事何にしようかしら? という主婦の悩みという事ではない。まぁ政府というか藩王の個人的悩み(相方が嫌いな物をどうやって食べさせよう)とかがあったりするかもしれないが、それとは別に国として問題が発生していた。

人の形質をはずれるという問題である。


 政府はこの問題に対して調査を開始。特に摂取した食べ物に問題はなかったのか、環境的な問題はなかったのかと様々な方面から調査を実行。結果、森国の砂と鍋の民の継承能力との相性、いわゆるアレルギーによるものだったことが判明した。
アレルギ―の症状としては鍋の民の継承能力に異常をきたし、食べたモノの形状や能力が、身体の形状や能力に現れるといったものであった。これは即ち本来の鍋の民から人の形質を外れていくということである。


 アレルギーといえば、遺伝や生活環境に密接したモノである。日々料理として食べている物についてもっと関心を持ち、どんな食料を摂取した場合にどんなアレルギーを起こすのか? 理解さえしていれば、そのアレルギーを回避する事も可能である。
時にはアレルギーを起こしてでも食べたい……そんな人もいるだろう。しかし、「アレルギーが出るから食べない」という選択肢があるとないとでは大違いである。
特に子供や病人、老人など比較的抵抗力が少ない人達の為にも……そんな想いから鍋を初めとする食事に使用される食材の研究が行われた。また、現在アレルギーにより人の形質から離れてしまった人達についても本人が希望すれば元の形質へと戻れるように食事改善の方法の研究も合わせて行われた。
これは病を食事で治すという鍋の国の伝統の「医療鍋」というバックボーンがあることからもあり、食事で起こった問題ならば食事で治す事も可能であろうという考え方でもあった。


 鍋の国の医療鍋は元々国民の体調不良などを民間療法として広く伝わる『鍋を食べる』ことで治してしまうことからきている。民間療法であったが、実際に医師が調査を行い、研究。現在、鍋の国の病院等で食事療法として提供されている。病は気からという事もあるので健康だけでなく、美味しさにも拘った鍋として患者さんにも人気のある鍋であるが、医師達の研究により、現在の食事療法として確立している。

 政府は食材の研究を行う際に、この医療鍋の開発、研究を行っている機関に協力を要請、鍋に関する科学研究医療部隊として設立。鍋の民と食べ物についての研究が行われたのである。



 国民一人一人が安全で美味しい鍋を食べられるように

 それが医療部隊の理念である。その言語だけを見ると他国の人にとってはなんだかなぁと思うかもしれない。結局鍋かよと思うかもしれない。しかし、医療鍋の開発で美食委員会を設立し、治療の為の薬草鍋でも美味しくしようとする努力、情熱は鍋の国国民にとっては褒め言葉であり、そして重要な事である。

#鍋の国美食委員会のくだりは市民病院のHQ設定文に記述あり。


 日々美味しい鍋を食べて、健康な生活を続ける為に、鍋の国の理想の形を目指すために、特殊医療部隊は真面目に鍋についての研究に取り組んだのである。そして、彼ら彼女らの前に立ちふさがるのは大変な試練の道であった。



次のページへ>>