鍋の民の国民性


 鍋の民はものづくりを好む民である。特にお手製、自らの手で作業する事を好む。その例として一番有名なのは鍋の国のアイドレス工場である。鍋の国のアイドレス工場は他国と比べると手作業で行う工程が多い。もちろん、全て手作業というわけではない。必要な所では機械での作業もある。しかし、一つ一つ丁寧に仕上げるという極め細やかな作業等においてはおばちゃん達の腕(技術)が鍋の国のI=Dの生産をささえているといって過言はない。
大量生産するだけならば、機械には任せておけばよい。しかし、細かい部分、重要な部分においては人の勘や今までの経験、技術力が重要になるのである。技術の大切さを知る故に、手作業を好んでいる。


 一般国民においても手作業を好む者も多い。例えば自宅の家庭菜園で作物を育て、季節の花を飾り愛でる者がいる。また、自作のお守りを愛しき人に贈る者などといったように自分で作る、育てるという事を好む。人の手によるものづくりそこに込められた想い、人のもつ温かみ、気持ちを込めて作るという事を大事にしているのだ。



鍋の民の嗜好、性格としては他国にも知られている事として鍋料理がある。
しかし、鍋と同じく愛する物がある。



それは眼鏡である。


 鍋の国には眼鏡愛好家が多い。視力の低い者が眼鏡をかけるだけでなく、ファッションとして眼鏡を着用する者も多い。普通の眼鏡だけでなく、サングラスや鼻眼鏡を愛好している者もいる。 複数所持している者も多く、鍋の国の藩王矢上ミサは眼鏡を五つ所持していると言う。

 彼女曰く「持ってる人は10個ぐらいもってますからねー」

 ファッションとして持つ者、予備のメガネ、風呂用メガネ、水中ゴーグル(メガネレンズ)。コレクターではない者でも厳選してマイメガネを複数所持している場合もある。

また、鍋の国の観光名所には眼鏡をモチーフとした場所も多い。島がそのまま眼鏡の形の眼鏡島、上から見たら眼鏡の眼鏡古墳。鍋の国の代表たる二つの灯台「メガネ灯台」と「めがにゃんこ灯台」。観光名所という意味では鍋をモチーフにした場所はなく、眼鏡をモチーフとした観光場所が多い。(もっとも鍋の国の料理といえば鍋料理なのでそこで鍋を堪能する事ができる)
国民も購入する事があるお土産としてメガネストラップ(虫眼鏡機能付き)、メガネ浮き輪(カップル、友達で一緒に)などの眼鏡関連グッズも数多く存在している。

 鍋の国と鍋を冠しているからこそあまり目立たないかもしれないが、眼鏡にも目がないのが鍋の民である。



 鍋の国は個人ACEが多い国である。また比較的女性が多い国でもある。恋をしたり、恋人もいる女性が多い……ともなればコイバナはかかせない。そして国民の間でも恋の話となれば大好きという人や猫士も多い。ラブアンドピース……特にそういう意識はないが、自身や人の恋の話で盛り上がり、喜んで楽しむ者も多い。もちろんちゃんと空気は読むので状況によっては自重する。友人が試練……いわゆる恋の障害に当たるときは、友人の恋が実りますようにと祈り、実った暁には祝うなど、恋の応援を楽しむのである。



 そして鍋の民が愛してやまない存在が、王猫様である矢鍋猫一郎様である。
王猫様に国民はメロキュン。もちろん王猫様だけでなく猫士の皆さんにも国民はメロキュン状態である。
 しかし、猫士の皆さんには感謝と敬意。王猫様には敬意と我らの王猫様という認識がある。


 我らの王猫様。

王猫様は身近な存在にして国の代表。
王猫様あっての鍋の国。
王猫様は我らがアイドルにしてラブリー……という意味である。


 王猫様は国を代表する猫であり、また象徴である。国民が困った時には王猫様がさりげなく助け、国民が苦しんでいる時はにゃーんと悲しい声が響き渡る。
 鍋の国が平穏な時は王猫様がのんびりお昼寝、健やかに過ごせる時。ごろんちょしたり、おさんぽしたり、お日様を浴びてのんびり暮らすその姿に数多くの国民が癒される。


鍋の国は猫とともに長い時を暮らしてきた。鍋の民には、人と暮らす猫がのんびり暮らせない国は平和ではない・猫一匹のんびり昼寝できなくてどうする、という考え方がある。その象徴として王猫様がいて、国民は王猫様を愛している。もちろん王猫様がかわいいからという影響も大きい。その姿に癒され、かわいさラブリー状態になった国民も多い。

 そんな鍋の民が謳うのは、“王猫様の平穏を、鍋の国の平穏を”。
これは、鍋の民が鍋の国がどうあるべきかを指したものであり、働く人の間、そして行政の場でもよく掲げられる信念でもあった。

ただし全て王猫様中心の行政ではない。行政等は人のためのものであり、この表現はあくまで目標イメージである。ただ、人と猫が平和に暮らせる国を目指す、という目標は、漠然としていながらも、誰もが理解しやすい目標・意識なのである。

そんな望ましい姿を目指し、行政は国民とともに望むべき形を目標とし、国の平穏を維持すべく日々を歩んでいる。


猫が、人が、穏やかに平和に暮らせる国作りを目指して。



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